ベンチストーン(砥石)でのホーニング


1)研ぎはまずブレードの状態をチェックすることから始める。刃こぼれがある場合は、荒砥の側面で刃こぼれの底までシェイプを整えながら削り落とす。
2)オイルストーンにオイルを塗る場合は、十分に浸透させた後、砥石の面全体にオイルがのっている状態にする。使い始めの荒砥はとくにオイルをよく吸うので注意。

3)砥石の端にナイフを研ぎたい角度にセットし、右手首が回転しないように左手でしっかりグリップする。荒砥ではようかんが、仕上砥ではカステラがつぶれる程度の力加減で砥石に当てる。

4)右サイドのストロークは、左肘のリードで矢印の方向へ水平に引き、ブレードのストレート部分を砥石の中央までに研ぎ終えるようにする。この先は腰は自然に回転させて良い。

5)エッジラインが湾曲している部分に達したら、右ひじを滑らかに上げながらポイントを矢印方向へ導く。ひじ上げの度合いは湾曲のきつさによって異なる。この状態で動きを止めないこと。

6)ストロークの最後は、ポイントを砥石から落とさないように気を付ける。この4〜6までの動作は同じ力加減とスピードでスムーズに行う。右サイドは手首が回転しやすいので注意する。 


7)左サイドのストロークは、右ひじのリードで矢印方向に引き、やはり砥石の中央までにストレート部分を研ぎ終える。左ひじの高さはここまで砥石面に平行に移動する。


8)エッジラインの湾曲部分にさしかかったら、左ひじを滑らかに上げながらポイントを矢印方向へ。この際、右のストロークより窮屈になりやすいので、適切な高さまで左ひじを上げるように注意する。

9)右サイド同様ポイントを砥石から落とさないように注意。手首のブレは右サイドほどではないが、手首は使わず、両方のひじがストロークをリードする動作をしっかり身につけよう。

砥石によってはオイルが必要

ダイヤモンドやセラミックスの砥石には不要だが、よく使われるアルカンサス,オイルストーンのような油砥石はオイルが必要。写真2のように十分に染み込ませ表面張力で砥石の上に乗った状態で使用する。

気を引き締めてホーニングを間始

刃物を相手に作業をするわけであるから、適度な緊張感をもって行なって欲しい。けがをしてば何もならないからだ。まず、荒砥で4-6のストロークにより、刃先断面中心より少しよけい目に右サイドを削り落とす。次に7-9のストロークで左サイドを削り落とすが、この際右サイドに細かなバリが前面に出るまで行なうこと。次に中砥で右サイドの研ぎ面を荒砥のキズが消えるまで4−6のストロークを回数を数えながら繰り返す。ここで左サイドに先ほどより細かいバリが出てくる。バリが確認できたらば左サイドを同数を目安に7−9のストロークを繰り返すことにより、バリは再び右サイドに返り研ぎ面は灰色となる。この段階でバリ取りをすればそこそこの切れ味を得ることができるが、仕上砥までかけることにより、よりシャープな切れ味を引き出せる。仕上げ砥では力を控え目に、右サイドを30回、次に左サイドを30回、20回−20回、10回−10回、5回-5回、3回−3回、2回−2回、1回−1回と繰り返す。バリは取れて研ぎ面も光沢が出てシャープなエッジが出てくる。とくに粘りの強い鋼材でバリが残る場合は、この仕上げの作業をもう一度繰り返そう。切れ味をチェックして、OKであれば終了。NGであれば最初からやり直そう。

諦めずに挑戦する気持ちが大切

技術であるから一度目からうまくできるとは限らない。殆どの場合角度を保てない失敗が多いので、何回も繰り返すうちに適切なストロークが身に付き、上達していくと思う。ダイヤモンド砥石は歯ブラシ、オイルストーンはティッシュ等で研ぎかすを拭き取っておくこと。また、片減りした砥石は砥石同志で擦り合わせるか、平らなコンクリートで平面を直しておこう。


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